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再生医療科便り(9)活性化リンパ球療法4「最後のステップ」

2018年03月01日

再生医療科便り(9)活性化リンパ球療法4「最後のステップ」

 前々回と前回で、活性化リンパ球療法の最初のステップである採血と、次のステップである培養のやり方についてご紹介しました。
 
 今回は、最後のステップである、採血から二週間かけて増やしたリンパ球を患者様に戻すことについてお話しします。
 写真にリンパ球が増えたときの培養バックの様子を示しました。最初ワイン色に近い培地が、リンパ球が元気になり増えるに従って飴色に変わっています。
 
 さて、バック全体が飴色になったところで、中身を微生物のいない容器に移して、遠心分離器でリンパ球を回収します。この回収したリンパ球を、生理食塩水の中に拡散させて患者さんに点滴します。大型犬で30分、小型犬、猫で1時間ほどかけて点滴します。
 
 このことから分かりますように、活性化リンパ球療法を含む免疫療法ではその治療法が簡便なことも、患者様に負担をかけない理由の一つになっております。
 次号では、今までお話しさせていただいた活性化リンパ球療法と、それ以前にお話しした免疫療法についてまとめたいと思います。
  再生医療科 齊藤正二