再生医療科便り(13)〜樹状細胞ー活性化リンパ球療法への道3「樹状細胞について」〜
2018年03月13日
前号で、リンパ球が効率よくガン細胞をやっつけるために、これらにガン細胞の所在と特徴を教える細胞の必要性を記しました。そして実際にこの機能を担う細胞があり、それが樹状細胞であることもお伝えしました。
樹状細胞には、この他にもう一つはたらきがあります。それはガン細胞をやっつけるということです。リンパ球と変わらないようですが、リンパ球がガン細胞に狙いをつけてやっつけるのに対して、樹状細胞の方は身体の中の怪しいものはとりあえずやっつける、その中にガン細胞が含まれるという感じです。
樹状細胞が、ガン細胞をやっつける過程で、リンパ球を呼び寄せる物質を出し(「ここに怪しい細胞(ガン細胞)がいるよ」)、やっつけてバラバラになったガン細胞の一部分を、リンパ球に示します(「特徴はこんな感じ」)。
これら一連のはたらきの行うため、樹状細胞は図のように表面積の広い形をしています。この形を表して「樹状細胞」という名前がつけられています。
次号では、これまでのリンパ球と樹状細胞のまとめをお伝えし、「樹状細胞ー活性化リンパ球療法」の下準備をしたいと存じます。
再生医療科 齊籐正二