たいせつブログ

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再生医療科便り(33)〜獲得免疫について11「ジェンナーの時代8」〜

2018年04月12日

 古代インドに端を発したとされている人痘種痘はトルコを経由して18世紀に英国に伝わりました。人痘種痘は天然痘患者の膿などを使ってわざと天然痘にかからせてこの病気に対する免疫をつける方法でワクチン療法の一つです。死亡率2%、片や天然痘の重いものでは死亡率20から30%でした。2と20、随分と安全ではないかと考えることもできそうですが、50人に1人というのもどうかなあと感じてしまいます。
 
1749年に英国バークレーに生まれたジェンナー(Jenner, Edward)は幼くして両親を亡くし、姉たちに育てられました。初等小学校を卒業した後、九才で聖職者ウォッシュバーンについて古典の勉強を始めるのですが、十二才の時にウォッシュバーンの元を離れてジョン・ラドローという外科医の徒弟となりました。この徒弟時代が終わる1768年頃に、牛痘にかかったことのある人は天然痘に罹らないという農民の言い伝えを知り、これがジェンナーが牛痘に興味を持った最初といわれています。その後、生涯の師匠であるハンター(Hunter, John, 1728- 1793)の元で勉強を始めます。
 
1773年に故郷バークレーに帰り開業します。1778年に牛痘に罹ったことのあるという人に人痘種痘を試み発症しないこと(一例目)を確認し牛痘種痘に天然痘を予防する効果があると確信を持つようになったと言われています。
そして1798年に牛痘種痘による天然痘予防について書かれた歴史的論文をジェンナーは発表しました。
 
私が疑問に思うのは発表までになぜ20年という歳月が必要であったかです。一つだけ予感していることは今の立場から過去を見ると誤るなあということです。次号以降この辺の事情について調べながら記したいと思います。
 
  再生医療科 齊籐正二