再生医療科便り(37)〜微生物学を巡って3「パストゥールHub3」〜
2018年04月17日
父親の言葉を思い出すことが多くなりました。その中には、勉強できるうちにやったといた方がええぞ、というのがあります。勉強を続けたくても続けられなかった思いの表れなのか、あるいは算数の問題の前でうんうん言っている子供を見かねてのことか、未だ知りません。
パストゥールの父親はナポレオン配下の下士官であり勲功あった人だったそうです。ナポレオン没落後、故郷に帰り、皮なめし業で生計を立てておりました。ナポレオン時代に抱いたであろう国や社会の理想像は、一徹者であった彼の中で生涯消えることはなく、そのことが息子であるルイ・パストゥールの思想を形成する上で影響があったといわれています。また真摯で勤勉であった父親の性格も息子に伝わっていきました。
今回は酒石酸について記す予定でしたが、予想通り手こずり、資料をひっくり返しながら、上の父親の言葉を思い出しておりました。しばらくはパストゥール周辺を点描しながら、酒石酸については得心のいったところで書きたいを思います。
再生医療科 齊籐正二