診察室の風景(1)〜細胞診について〜
2018年04月23日
今回は「細胞診」についてお話したいと思います。
「細胞診」という言葉をすでにご存じの飼い主様もいらっしゃると思います。また、初めてという方もいらっしゃるかもしれません。
「細胞診」とは、文字通り、細胞を見て診断をすることですが、詳しいご説明は次回にさせて下さい。簡単には腫れ物、できもの、あるいは腫瘤と言われる身体の変化した部分に、径の細い針を刺して中身を抜き取り顕微鏡で調べるというものです。イメージとしては写真にあるようなコーヒー豆を調べるのに似ています。
飼い主様の中には、患者様の腫れ物のことで来院される方が結構いらっしゃいます。腫れ物が良くできる患者様の飼い主様や、腫れ物を「調べてほしい」とおっしゃる飼い主様には、細胞診のお話はそれほどびっくりするようなものと捉えられることは少ないのですが、そうでない方には、お話をすると「えっ」という表情されることがございます。そりゃそうです。「針を刺す」という響きは何とはなしに怖いイメージを与えてしまいがちですから。
実際には、患者様に極力痛みを与えないように、皮膚表面に麻酔薬をスプレーしてから、直径1㎜に満たない細い針を腫れ物に刺します。刺している時間は10秒に満たないことが多いです。
次回は、そのようにして患者様からいただいた腫れ物の一部を顕微鏡で見て何をしているかお伝えしたいと存じます。
副院長 齊籐正二