たいせつブログ

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診察室の風景(2-2)〜診療台について(続き)〜

2018年04月26日

診察室の風景(2-2)〜診療台について(続き)〜

 今回は、前回お話ししました「診察台」の続きです。
 当院の診察台には、すべて「体重計」が付いています。体重計のない診察台も販売されており割安であることを考えると、「思い切ったなあ」という感想を入社した頃持ちました。
 
 体重を量るのには意味があります。それは、「身体に不具合が生じていないかを知る」と言うことです。
 
 体重測定の最大の特長は、患者様にほとんど負担をかけないことです。と言いますのも、身体の状態を知る方法は、他にもあるのですが、例えば、仰向けでのレントゲン撮影やエコー検査は、慣れてない患者様には、かなりびっくりする検査だと思います。仰向けは「負け」の姿勢ですから。それらの検査に比べると、台の上に乗っての体重測定は少し緊張を伴いはするのですが、負担のない検査といえます。
 
 体重は、成長期を除けば、そしてゴハンの量が変わらなければ、ほぼ一定です。なぜなら、身体に変調がなければ、出て行く物の量(尿、便など)も一定であるからです。入ってくる物(ゴハン)が変わらず、出て行く物が変わらずなので、残り(体重)が一定というわけです。ですから、定期的に通って下さる患者様の体重が、減ったあるいは増えたとなると、私の中で警報ランプが点滅します。身体が変調をきたしているのではないかと。ですから、体重が変化すると、やれゴハンの量は変わっていないか、種類は変わっていないか、便の色、量、臭いに変化はないか、おしっこの量が増えていないか、水入れが最近空っぽになっていないかなどと、しつこく聞くのです。
 
 同様のことは、初めて来院して下さった飼い主様からのお話でも起こります。「なんとなく元気ないよね。ゴハンの量はあまり変わらないないんだけど、体重が減ったのよね」などと聞くと、またまた警報ランプ点滅です。
 
 事ほど左様に、体重は獣医師にとって重要な意味を持ちます。
 ですので、何もない時でも(これが一番なのですが)、お散歩がてら体重を量りに来て下さることは、私にとってありがたいことです。なぜなら、病気の早期発見につながるかもしれないし、そうであれば打つ手が沢山あることが多いからです。

  副院長 齊籐正二