たいせつブログ

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診察室の風景(3-2)〜体温計について(続き)〜

2018年04月28日

診察室の風景(3-2)〜体温計について(続き)〜

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。冬の入り口の頃郷里の母親に電話したところ、向こう(四国)も大分冷えるようで、「水溜まりに氷が張る」ようになったとのことです。改めて日本の気候の広がりに感心した次第です。
 
 寒くなると手足が冷えることを感じることが多いと思います(そうでない時でも冷えを感じることはありますが)。一緒に載せました図は、サーモグラフィーという機械を使って身体の各場所の温度を示したものです。左が部屋の温度が20℃の時の体温分布、右が35℃の時のものです。
 
 この図で分かることは、部屋の温度が変化しても、体の中心の温度は大きく変化しないと言うことです。この事情は人だけでなく、ワンコさんやニャンコさんでも同じです。そしてこのことが、お尻や耳の中に体温計を入れて体温を測る理由です。
 
 患者様が診察台に乗るまでにどのように過ごされてきたかは色々です。待合室で、あるいは車の中でお待ちになることもあるでしょうし、あるいはお散歩してそのまま診察台という場合もあると思います。ですので、たとえば足の近くで体温を測ると、えらく低かったり、逆に高かったりして、その時の体の状態を正確に反映していない可能性があります。
 
 そこで、大きな変化のないお尻を介して直腸の温度を測ります。ここの温度が便の影響がない状態で低い、あるいは高いとなった場合は身体に異常があるのではと考えます。前回の体重と同様、体への負担の少ない検査法です。

  副院長 齊籐正二