診察室の風景(5-2)〜顕微鏡について(続き)〜
2018年05月02日
皆様方におかれましては如何お過ごしのことでしょうか。
前回は診察室での顕微鏡の役割を述べるつもりでしたが、随分と脱線して今しました。
今回は、本題について。
診察室で顕微鏡を使うのは糞便検査、尿検査、おできの検査、そして抜いた毛を観察するなどです。
糞便検査では、便の中の細菌の数や種類を見て、具合の悪いところを推測します。これ以外にも、消化されずに糞便に残っている物はないかしらと、特別な色素を使って染めて見ることもあります。それから、拾われた猫さんだと寄生虫を宿していることもあるので、その卵がないか確認することもあります。
尿検査では、やはり細菌の種類や数を見て、例えば膀胱炎の原因を推測します。また結晶と呼ばれる尿石のミニチュアを確認したりします。
おできの検査については、以前述べたように、炎症なのか、腫瘍が疑われるのか、腫瘍の場合は良悪の判定がある程度出来たりします。
抜いた毛の検査では、カビを確認したりします。また、毛の先端を見て、こすったりしていないかを確認したりします。
肉眼では分からないことが顕微鏡を使って大きくしてみることで、患者様の患いをより正確に推測することができます。
副院長 齊籐正二