たいせつブログ

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診察室の風景(6-2)〜遠心分離機について(続き)〜

2018年05月04日

診察室の風景(6-2)〜遠心分離機について(続き)〜

 皆様方におかれましては如何お過ごしのことでしょうか。天候の不順は体に影響しますので、動物さんともどもお体大切になさって下さい。
 
 前回は遠心分離器についてお話しました。今回は遠心分離器を使っての院内での検査の一端をお話したいと存じます。
 
 前回、遠心分離器が重いものと軽いものを分けると申し上げました。別の言い方をすると、重いものを集める働きがあります。
 
 遠心分離器の中は、左の写真のようになっており、一方向に回転します。これにより、遠心力がこの写真にある試験管に働きます。真ん中のイラストにあるように、この力により試験管の中にあるもの、例えば細胞が、試験管の底に集まります。これにより、再生医療で必要となるリンパ球を集めることが出来ます。
 
 また、尿検査では、尿の中に「結晶」といって、顕微鏡で見えるくらいの尿石の小さなものがあることがあり、オシッコ絡みのトラブルを診断する時の一助になります。しかし、尿をそのまま顕微鏡でのぞいたのでは、一番右のイラストの上の図のように「見ることが出来ない」ことがあります。ここで遠心分離器を使うと、同じイラストの下のように結晶が集まり、顕微鏡で見つけることが出来ます。
 
 以上、遠心分離器を使った検査・作業の一端をご紹介しました。一番下にあるのが遠心分離器の全体像です。ふたが閉まっている時は、検査や作業のために頑張っているんだあと思っていただけたらと思います。
 
  副院長 齊籐正二