たいせつブログ

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診察室の風景(22)〜血球計数器(その2)〜

2018年05月31日

診察室の風景(22)〜血球計数器(その2)〜


 前回から血球計数器についてお話を始めました。今日はその続きです。 
 
 空想話を一つしたいと存じます。
 私は今とある空港の出発ロビーにいます。手荷物検査室をどうやって通過したのか記憶がありません。私が座っている場所は手荷物検査室の陰になっており、検査室を人が通過している様子は見えません。見えるのは検査室を通過した人と、何に使われているか分かりませんが赤いランプのみです。私の近くにはお年寄りが一人いて赤いランプの方を眺めています。ロビーは非常に静かでお年寄りのつぶやきがよく聞こえます。その人は時折「太っている」、「そんなに太っていない」とか、「空いてるなぁ」、「ほう沢山の人が来たなぁ」とかつぶやいております。確かにお年寄りがつぶやいた後しばらくして太ってる人が出てきたり、そうでもない人が出てきたり、パラパラと人が出てきたり、どっと人が出てきたりしております。
 
 私は不思議に思って、手荷物検査室を見に行きました。手荷物検査室は図のようになっていました。検査に使うゲートが非常に狭くなっており太っている人だと通過するのに時間がかかること、またゲートをくぐった際に赤いランプが光ることが分かりました。
 
 おそらくそのお年寄りは赤いランプを見てそれが長く光っているときは太っている人が通っている、そうでないときはそれなりの体型の人が通っている、ランプの点滅が少ないときは人はそんなに多く人が通過していない、点滅が多いときはたくさんの人が通過していると判断しているのでしょう。
 
 以上が空想話の始終です。二番目の図は血球計数器の原理図です。血球計数器の生命線は図に「アパーチャ」と記されている「狭い隙間」です。
 今回はこの原理図を見て思いついたお話を記しました。
 
 次回はこの空想話の解題を通じて血球計数器の原理にふれたいと思います。
 
  副院長 齊籐正二
付記:前回「血球計算器」と記しましたが、「血球計数器」という言葉が広く使われているようですので今回よりこの言葉を使うこととします。