診察室の風景(35)〜カバーガラス〜
2018年06月27日
ただならぬ飼い猫の声に飛び起きてみれば、彼女は壁の一点を見つめていました。視線の先には蛾が一匹。仕方がないので外に放ってやれば水銀灯の方に飛んでいきました。まだ少し興奮している猫をあやしながら蛾の入る機会に思いを巡らせていました。その機会は2回ほどの玄関の開け閉ての時というのが結論でした。蛾が入るなら蚊も。室内飼いの犬猫のフィラリア予防に思いは到るのでした。
前回はスライドガラスを取り上げました。今回はカバーガラスです。カバーガラス、何を『カバー」するのでしょうか。それはスライドガラスの上に乗っているものです。ただ、尿や便を扱うことの多い臨床ではそれらでレンズが汚れないようにするという目的もあります。厚さ一ミリにも満たないものですが、なくてはならないものです。
副院長 齊藤正二